(3)2008年長崎おぢか国際音楽祭

美しい海岸線が広がるおぢか

「おぢかへ行く」と聞いて、始めはどこのことかわかりませんでした。どうやら九州の島であるらしいとわかってきました。おぢか、それは始めに音があり、その後、漢字を当てはめた万葉仮名に違いないという気がして、漢字を調べると小値賀とあります。その背景には深い歴史があるに違いないと思ったらもう胸はわくわくしてしまいました。そして、住所は北松浦郡五島列島ではありませんか。私の知り合いに松浦さんという方がいらっしゃいます。その方のご祖先は魏志倭人伝の末盧(まつら)国のまつらから取った名前だということで、今でも平戸松浦家はまつらと名のっていらっしゃるそうです。古代史ファンにはたまらない島に違いないはずです。3月20日から3月26日

 

 

320日 福岡 勝立寺にてシタールコンサート

一行はまず福岡に到着して、福岡勝立寺のお彼岸の法要の後、チャンドラカントさんのコンサートがありました。檀家の方が集まる中、シタール演奏が行われました。始めに Nat & Bhairav、 taal in Rupak teal。午後のラーガ2曲の特徴的なメロディーが融合されたラーガでした。リズムサイクルは3・2・2の7拍子。2曲目はKhamaji、 taal in teentaal。リズムは4×4の16拍子。始めの曲より明るく軽快な曲でした。こちらのご住職さんのご子息さんの厳しい修行があけたばかりで、その修行のお話や檀家の代表の方数名でお食事をいただきながらの集いを設けていただきました。

320日 「シタールの夕べ」福岡コンサート

その後、ホテルへ帰ってしばし、休憩したのち、コンサートが行われるアジア美術館へと向いました。この音楽祭はトータルヘルス実行委員会によるボランティアスタッフによって企画、運営され、収益金はチャンドラカントさんが理事を勤める財団、インドワゴリのバラティア・サンスクリティ・ダルシャン・トラストへ寄付されるチャリティーコンサートでした。1曲目はBhopali(Bhoop)Aleap、Rupak taal 。2曲目はKalawati 、 taal in teentaal。アンコールはBhajanの演奏でした。インド音楽は演奏者と観客が一体となって作っていくもので、観客の皆様が身を乗り出し、とても熱心に聴いてくださったので、とても盛り上がったコンサートとなりました。日本の芸能界で活躍なさっているミュージシャンを多く輩出してきた町、福岡。コンサート終了後も皆様からチャンドラカントさんは取り囲まれ、楽しい団欒のひと時でした。その中にはパンディット・ラビシャンカールのレコードをお持ちになった方もいらっしゃいました。その後、場所を変えて幹事のみなさまとご一緒に夕食をいただきました。おいしいお食事を整えてくださり、心温まる歓迎をしていただきました。こういう時間がとてもうれしいひと時でした。

 

             第7回長崎おぢか国際音楽祭

おぢか国際音楽祭の目的は演奏家を芸術の原点に立ち返られる豊かな自然において、真の音楽が生み出される場を創造し、芸術の発展に貢献するとともに、自然と共生する豊かで潤いのある社会環境の啓蒙・普及を目的とする。

次の日は佐世保まで移動し、そこから海路を通って、小値賀に着きました。次の日から私たち一行は公共の施設をお借りして自炊し、まるで合宿のような生活が始まりました。

 

322日唐見先公民館にて音楽療法

グループ音楽療法音楽療法後のG&A

唐見先公民館で前面海という絶好のロケーションの中で、グループ音楽療法が行われました。30名くらいの方が集まりました。仰向けに寝てシタールを30分くらいの間聴くというものです。終わった後、体の中にどのような反応がおこったのか、そして、それはどういうことなのか、参加者とチャンドラカントさんの質疑応答が交わされ、みなさん熱心に聞いていらっしゃいました。私はかねてより海に面した場所で音楽療法を受けてみたいと思っていましたので、参加者に混じって受けさせていただきました。とてもリラックスした状態を体験することができました。

323日老人ホーム音楽療法とコンサート

老人ホームでの演奏

その後、養寿園老人ホーム慰問セッションで30分のシタール演奏を車椅子にのったままホームの方が聴くというかたちの音楽療法と、30分のミニコンサートが行われました。Raga Madhuwanti in teentaal 。「桜」「上を向いて歩こう」。リクエストに答え「朧月夜」。4拍子をチャンドラカントさんが打って「皆さんご一緒に」とおっしゃると、みなさんでティンタールを手拍子でうちました。とても正確にリズムをきざんで、楽しげに手拍子をうっていらっしゃいました。又、タブラにあわせて、何人かの方がひざの上でも拍子を取っていらっしゃるのが印象的でした。

324日 アジアン・ナイト・チャリティー・コンサート

 

おじか国際音楽祭メインコンサート

アジアン・ナイト・チャリティー・コンサートはインド音楽に親しんでもらおうとともに、収益金はインドのストリート・チルドレンに寄付されます。演奏に先立ち、ラーガとターラの説明が詳しくされました。
 1曲目は「Raga Mishra Siuranjiani in teentaal」。2曲目は「Raga Nihon Indo in Rupak Taal」。
 終演後、ロビーでは長崎おぢか国際音楽祭に出演のためにいらしたヨーロッパの演奏家や地元の方、このコンサートのために駆けつけた福岡の方などと楽しい談笑が続きました。チャンドラカントさんが泊まっている旅館では、西洋の音楽家との音合わせがあったり、まさにこの地で、日本、インド、ヨーロッパの伝統文化があいまみえようとした感がありました。

 

神社目前に朝日が上る景色

325日 瞑想コンサート

拝殿内での演奏

朝7時早朝より7世紀の書物に記載されている神島神社の拝殿での瞑想コンサートが行われました。30名くらいの方が早朝にもかかわらず集まり、シタールの演奏を瞑想しやすい体勢で聴くというものでした。荘厳なシタール演奏が奏でられ、まさにピッタリのところで行われました。音楽療法といい、瞑想コンサートといい本当によくインド音楽というものをお分かりなった方が、コーディネイトしてくださったおかげです。

 

325日保育園訪問コンサート

今度は場所を保育園に移し、小さいお子さんにコンサートを楽しんでもらいました。タブラにあわせて、ひざをたたく子や、実際にタブラに触って、タブラをうってみたり、シタールを触ってみたりと楽しいひと時を過ごすことができました。

 

ウエルカムパーティー

その夜はミュージシャンを招待してのウエルカムパーティーがありました。チャンドラカントさんの奥さんのプージャさんの手づくりのカレーや、地元の奥様方の心づくしの手料理に会場は大盛況でした。その時、お一人の方が「瞑想コンサートのあと、今日1日心静かに仕事ができました」と、おっしゃってくださいました。

 

 

 

船上でのお別れ

次の日の朝、テープを用意して、港まで皆様がお見送りに来てくださいました。予想もしていなかったので、感激もひとしおで、テープが切れるまでお見送りをしていただきました。メンバー全員、もちろん更に、おじかのファンになったのは言うまでもありません。

おぢかは風光明媚な人口3千人程の穏やかな島で、この国際音楽祭も今回7回目ということです。ここの島に国際交流が続けられるのも、小値賀の歴史と無縁とは思えないのです。五島列島で北から 宇久島・小値賀島・五島中通島・五島福江島となっていますが、小値賀島だけが平戸松浦藩です。

その歴史は古く、歴史博物館には縄文前期、中期、後期の土器のかけらややじり、弥生の須恵器、有力豪族の存在を示す古墳の写真、遣唐使船時代から列強が争って各大陸に出て行った大航海時代の陶器の破片などが陳列されていました。南から黒潮と呼ばれる日本海流が、北からはりマン海流が流れ込む五島列島に位置する小値賀(おぢか)は、古の時代からその潮の流れにのって南に向う航路にあたっていたそうです。この島を通って中国やタイなどの南の国との交流が行われていました。小値賀のすぐ東に位置する平戸が江戸時代、オランダとの交易が許されていたのも、古くからその海外交流の歴史と無縁ではないと思われます。小値賀国際音楽祭の実行委員長の増元さん、事務局長の立石さんや、島の方皆さんがボランティアでこの国際音楽祭を毎年行っていらっしゃいます。突然ではない、古くからあるなにかDNAのようなものが島の人に根付いていて、国際文化交流が行われているように感じます。この音楽祭の後も、オーストラリアやアメリカからホームスティを受け入れているそうです。みなさん、この島から帰られるとホームシックにかかってしまうほど、この島の自然や心やさしい元気な人たちに馴染んでしまうそうです。この島を通ってかって遣唐使が行き来をして、大陸の文化がもたらされ、日本古来の文化と融合して、日本文化を作り上げてきました。まさにこれから世界の音楽がこの地で溶け合い、ひとつになり、文化が人を導いてくれますよう、世界が一つに溶け合いますようにと、願わずにはいられませんでした。

福岡のボランティアの皆様、小値賀の皆様、すばらしい企画、心温まるおもてなしに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

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