(2)演奏を支える強靭さこそ

両腕はそれぞれ90度に曲がっている

シタールを弾くことに慣れない人にとって、シタールを持つ姿勢をとり続けると足や背中が痛くなる。Dr.チャンドラカントのシタール・レッスンでは、最初の回はシタールを弾く姿勢でただ座っている。この姿勢をある程度の時間続け慣れてきて、どこも痛くなくなった時に、始めてシタールを持つことが許される。

それほどまでに彼が姿勢の大切さを教えたのは、正しい姿勢ができて始めて、自由に正確に弦をはじけるようになり、なおかつ、スピードのある演奏が可能になるからである。

彼の特徴はスピードにあり、超高速で演奏をすることができた。常に背骨をまっすぐにし、シタールを45度に傾斜させ、フレットを抑える左手はフレットに対して90度、弦を弾く右手も同じく90度の位置で演奏する。シタールという楽器は、フレットの位置が奏者からは見えないのである。姿勢が崩れると、当然フレットを押さえる位置がずれてしまう。

その上、この姿勢で演奏するには、筋肉が必要とされる。フレットを押さえ込むため、彼の弦を押さえる左のひじから指までの腕は通常の人より内側に回りこんでいた。4歳の頃からシタールを弾き始めたので、この部分の筋肉が成長と共に非常に強くなっていった。また、フレットを深く押さえることができるように、彼の左手はボール(英語で小さなお椀)の手と称されるほど、彼の左の手の甲は深く丸めることができ、あたかも手の甲に小さなお椀を乗せているかのような形になっていった。

インドでは、コンサートでは何時間も演奏することがあるそうで、彼は何時間も続けてシタールを演奏したことがあった。もちろん演奏の間、姿勢を崩すことなく、引き続けた。こんなことができるのも、強靭な筋肉があったればこそで、幼い頃よりシタールを弾くことで自然とシタールを弾くのに適した筋肉がついていったのであった。

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